「即決」のススメ
今月より某所でコラムをはじめました〜*1
そのなかで、自己紹介としてこれまでのキャリアを書きながら整理していたところ、
ある日の会話が、自分のキャリアのキーになっていたんじゃないかという考えにいたった。
それは前の会社に移る際のできごと。
Aさんは、当時の会社の副経理部長(Assistant Controler)。
会計システムの開発やサポートをおもな職務にしていた自分にとってはメインの得意客。
彼は、短期間にたくさんの改善をおこない、結果を出した、誰が見ても有能な人だった*2。
彼からのシステム提案は、実現が困難なものもあったが、新しいチャレンジは確実に自分を成長させてくれたし、成果が出てユーザーから感謝されるのは気持ちがよかった。
そしてある夏、Aさんが、会社を去ることを知った。
「何だか、つまらなくなるな」とまっさきに思った。
そしてAさんが会社を去って1ヶ月もたたないうちに、彼から電話があった。
かんたんな挨拶のあと、Aさんは切り出した。
「ボクに手を貸してほしい。ITマネージャーとしてうちに来てほしい」
「いいですよ!」
即答した。
翌日、「そういえば、Aさんってどこの会社に行ったんだっけ?」と思い、
「ところで、何ていう会社ですか? 何やってる会社?場所はどこですか?」とたずねたら、「あれ?言ってなかったっけ?」と笑っていた。
あまりに軽く、無防備ともいえるこの即決。給与のはなしが出てくるのもずっとあとの話だ。
でも、細かい条件よりも、あの日の「即決」が実は大事だったんじゃないか?と思うにいたるきっかけは、下記本のある項。
- 作者: 日垣隆
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2008/05/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 13人 クリック: 309回
- この商品を含むブログ (189件) を見る
32:依頼には即決で答える
多摩大学の創設時、初代学長を務めた野田一夫さんの教授選びには、ある強烈な基準がありました。
「最初にお誘いしたときに即答しない方は、こちらからご遠慮申し上げる」
〜中略〜
誘われて悩むのも人情でしょう。しかし学長予定者というリスクと責任を負った野田さんが、自ら会いたいとアポを入れてきた時点で、少し考えればどういう用件なのかは、予測はつくはずです。ある程度、答えを考えて出向くのが常識でしょう。
〜中略〜
つまり、最初の電話を受けた時点で用件を予測して、自分の状況や考えを整理し、あらかじめ答えを決めておく。そして、実際に会ってオファーをうけたら「イエス」と即答する。そんな人でなければ、大学教授という大仕事のメンバーとしてふさわしくないと野田さんは判断されたのでしょう
たしかに、Aさんから着信があった時点で「誘いがあるかもしれない」とは思っていた。
あの人から必要とされるなら、可能なかぎり万難を排して「イエス」といいたいとは思っていた。
…そして「引き抜き」をしてくる以上、現状の給与よりアップするであろうことも。
もし、あそこで「ちょっと考えさせてください」とか「条件は?」といったらどうなったか?
・
・
・
は、今度Aさんに聞いてみることにしようかな。なにも変わってないかもしれないけどw
とはいえ、ふりかえると、わりと「即決」が多い気がしてきた。
KEN46にしても、「秘伝!」にしても。
ということで、まずは「即決」!
「イエス」のあとに制約条件をゴニョゴニョ言えばいいんです!