フラット化する世界(上)の第2章

年の瀬は、やっぱり読書。こんな時でないとなかなか読む気にならない本を。

フラット化する世界(上)

フラット化する世界(上)

この分厚い本の中で、200ページを費やして挙げられる
第2章:世界をフラット化した10の力

備忘録的に下記10個と関連アイテムを残しておきます。

1.ベルリンの壁の崩壊と、創造性の新時代
ユーロ誕生、ウィンドウズ+モデム、社内ネットワーク

2.インターネットの普及と、接続の新時代
インターネット+ブラウザ、ITバブルによる光ファイバーバブル

3.共同作業を可能にした新しいソフトウェア
デジタル時代の共同作業:ワークフローによるプロセス管理、XMLSOAP、ebay&PaypalwebサービスSalesForce.com

4.アップローディング
オープンソース・コミュニティ、ApacheOpenOffice.org、ブログ、ポッドキャスティングウィキペディア

5.アウトソーシング
Y2K、インド、コールセンター、口述の書き起こし、会計処理

6.オフショアリング
中国WTO加盟、国内での労働集約型生産の終焉

7.サプライチェーン
ウォルマートZARADELLRFID、代償:低賃金低福利厚生

8.インソーシング
UPS、コア・ビジネスへの集中

9.インフォーミング
Google、個人の情報武装、TiVo

10.ステロイド
いつでもどこでも、iPaqWiFi、Napstar、Skypeテレビ会議

ちなみに、思想的な話かと思ったらかなりビジネス書的な話。

「IT革命がなぜすぐに生産性の向上につながらないのか?」→「コンピュータが新しくなっても何も変わらない」

−フラット化した世界の恩恵を受けるには、水平化した思考、組織が必要だということ。

旧来の縦割り組織は、危険だ。
以前、自分がITマネージャーを務めていた会社では、自分の前任者はアウトソースだった。
専任者の必要とともに社員として自分が登用されたが、今後はもっと細切れな時間を使った専門家集団によるサービスに代わっていく可能性が高い。
一人でスキルを身につける従来型のスキルアップよりも、集団でアウトプットを出すことをコーディネイトできる能力にこそ価値が置かれる。
私の旧戦略「スキルのデパート」では食うや食わずになる日も近いということか。

満腹になったので下巻は当面読まないと思うw

ただ、上巻の最後は、リカードの比較優位に触れながら、
以前のエントリーで書いたようなことのスケールアップ版で締めくくられていた。

誰にでもできるような仕事−容易に中国に移せる仕事−をしているアメリカの低技術労働者は、困ったことになる。それは否定できない。賃金は間違いなく低下する。生活水準を維持するか、上げるには、水平ではなく「垂直」に動かなければならない。

さてさて、垂直に行くにはどうしたらよいものか、年末〜年始に考えてみないと。
あ、自分でできないならばできる人に投資、はある意味正しい。