フラット化する世界(上)の第2章
年の瀬は、やっぱり読書。こんな時でないとなかなか読む気にならない本を。
- 作者: トーマス・フリードマン,伏見威蕃
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2006/05/25
- メディア: 単行本
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この分厚い本の中で、200ページを費やして挙げられる
第2章:世界をフラット化した10の力
備忘録的に下記10個と関連アイテムを残しておきます。
1.ベルリンの壁の崩壊と、創造性の新時代
ユーロ誕生、ウィンドウズ+モデム、社内ネットワーク
2.インターネットの普及と、接続の新時代
インターネット+ブラウザ、ITバブルによる光ファイバーバブル
3.共同作業を可能にした新しいソフトウェア
デジタル時代の共同作業:ワークフローによるプロセス管理、XML、SOAP、ebay&Paypal、webサービス、SalesForce.com
4.アップローディング
オープンソース・コミュニティ、Apache、OpenOffice.org、ブログ、ポッドキャスティング、ウィキペディア
5.アウトソーシング
Y2K、インド、コールセンター、口述の書き起こし、会計処理
6.オフショアリング
中国WTO加盟、国内での労働集約型生産の終焉
7.サプライチェーン
ウォルマート、ZARA、DELL、RFID、代償:低賃金低福利厚生
8.インソーシング
UPS、コア・ビジネスへの集中
9.インフォーミング
Google、個人の情報武装、TiVo
10.ステロイド
いつでもどこでも、iPaq、WiFi、Napstar、Skype、テレビ会議
ちなみに、思想的な話かと思ったらかなりビジネス書的な話。
「IT革命がなぜすぐに生産性の向上につながらないのか?」→「コンピュータが新しくなっても何も変わらない」
−フラット化した世界の恩恵を受けるには、水平化した思考、組織が必要だということ。
旧来の縦割り組織は、危険だ。
以前、自分がITマネージャーを務めていた会社では、自分の前任者はアウトソースだった。
専任者の必要とともに社員として自分が登用されたが、今後はもっと細切れな時間を使った専門家集団によるサービスに代わっていく可能性が高い。
一人でスキルを身につける従来型のスキルアップよりも、集団でアウトプットを出すことをコーディネイトできる能力にこそ価値が置かれる。
私の旧戦略「スキルのデパート」では食うや食わずになる日も近いということか。
満腹になったので下巻は当面読まないと思うw
ただ、上巻の最後は、リカードの比較優位に触れながら、
以前のエントリーで書いたようなことのスケールアップ版で締めくくられていた。
誰にでもできるような仕事−容易に中国に移せる仕事−をしているアメリカの低技術労働者は、困ったことになる。それは否定できない。賃金は間違いなく低下する。生活水準を維持するか、上げるには、水平ではなく「垂直」に動かなければならない。
さてさて、垂直に行くにはどうしたらよいものか、年末〜年始に考えてみないと。
あ、自分でできないならばできる人に投資、はある意味正しい。